インタビュー

さまざまな活動・イベントをご紹介

画像

蔵王酒造株式会社 渡邊 毅一郎さん

更新:

宮城県は白石市、明治6年に創業し150年の歴史を持つ酒蔵、蔵王酒造。
地元産の米や蔵王連峰の伏流水、冬の蔵王颪の寒風という自然の恵みを活かした酒造りを行い数々の受賞を誇ります。
そんな酒造を牽引する若き代表、渡邊毅一郎さんにお話を伺いました。

毅一郎さんは蔵王酒造の5代目蔵元です。

若手蔵人を中心となり作られた蔵王Kシリーズというお酒は、日本最大の市販酒イベントの純米酒部門にて受賞するなど、
数多くの鑑評会で高い評価を受けています。
またYoutubeなどSNSでも活動をされており、蔵人の紹介や仲の良さそうな様子を垣間見ることができます。

 

-「酒蔵」と聞くとしきたりがあって、新しいものを取り入れることが難しいイメージがあります。
蔵王酒造さんはyoutube活動をされていて、チームで話している楽しげな様子を拝見してとても驚きました。

若いメンバーで行っている事が大きいのかなと思います。
自分が入社した時の酒造りのメンバーは平均年齢が50代だったのですが
新卒の子が入ってくれたり、当時の責任者の2人もかなり若い方だった事もあり段々とチャレンジする風潮が高まっていきました。
自分が酒造りの経験がなく、学びながらのスタートだった点も今になると良かったと思っています。
立場としては上司だけど、醸造に関しては新人というプラスとマイナスが噛み合って戦友の様な関係性を築いていけました。
よくある腹を割って話す機会を設定せずとも、お互いに思った意見は言い合える関係です。
友達の関係とはまた違うのですが、なんでも言える関係性は日本一なのではないかと思います。

 

-上司と部下の関係性がありながら、双方向で話せるというのはかなり先進的な組織に感じます。

これは自分の武器の1つでもあるかなと思います。
元からの性格というのもあるのですが、前職の保育士の経験の中で受け入れられやすい先生でいようと意識してきたので、
そこで培われた雰囲気は今のチームの中でも活きているように感じています。
はじめは酒造りのチーム内でそうした雰囲気が出来、割りとメンバーの皆さんのほうから色々言ってくださる事が多いです。
そのやり取りを他のメンバーが見て「こういう事を言って良いんだ」という雰囲気ができていって、
社全体で風通しが良い組織になっていったと思っています。

 

-ただ仲が良いだけでなくて、仕事をする上で必要な事は言える素敵な関係性だと思います。

私自身、メンバーから業務において変えてほしい箇所は言われる機会が多いです。
ただこちらから指摘する事が難しいなと思うタイミングもあります。
保育士という職業柄、子供や保護者がこちらの言葉をどう受け取るか、という事に関して敏感だったように思います。
また私、今までの人生の中で嫌いな人がいた覚えがないんです。
なのでその対象として自分が見られたくないな、嫌われたくないなと思う気持ちが出てくるんです。
ただ、昨今会社がホワイト企業過ぎて辞職した、なんて話も聞くので言う事は言わないとな、と思います。
メリハリというか、きちんと一人ひとりに向き合っていきたいですね。

 

-そうやって築かれる関係性がお酒作りにも活きているんですね

そうですね、昔から和醸良酒という言葉があるように
「和」がいいお酒を作るという考え方もあるくらいなので、
他の仕事でもそうですが人間関係が良くないとうまくいかないこともあるのかなと思います。

 

-白石に住んでいる方々は地域で水を大事にされている印象があります。川の掃除を行ったりだとか

そうですね、水が綺麗でないと生息しない梅花藻なども大切にしています。
市内を散歩していると川のせせらぎや景色に癒やされる事があります。
なんとなく和む気持ちになることが、地域の人柄や習慣を育くむ一因になっていると思います。

-蔵王酒造さんは蔵王連峰の湧き水を使われていると聞きました。

はい、蔵王連邦の雪解け水が地下水になって、湧き上がってくるものを汲み出して使っています。
ぜひ機会があれば水道水と飲み比べをしてみて、違いを感じてほしいです。
土地の水は酒作りの上で、その土地を表現する大事な要素の一つだと考えています。
自分たちが目指しているお酒の味わいにも向いている水質で、そんな水が豊富に出るのはありがたいですね。

-ありがとうございました。ぜひ皆さんに蔵王酒造のお酒を楽しんで頂きたいです。

 

蔵王酒造株式会社 渡邊 毅一郎<span>さん</span>
Profile

蔵王酒造株式会社 渡邊 毅一郎さん